2017年に読んだ本
今年は哲学の入門書が豊作でした。後半は計量経済学に足の指先だけ突っ込んで面白さがわかってきました。小説はあまり読めず。
天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
- 作者: メイソン・カリー,金原瑞人,石田文子
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2014/12/15
- メディア: 単行本
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- 作者: キャス・サンスティーン,リード・ヘイスティ,田総恵子
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: ステファヌクルトワ,ジャン=ルイマルゴラン,St´ephane Courtois,Jean‐Louis Margolin,高橋武智
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/01/10
- メディア: 文庫
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プログラマのためのSQL 第4版 すべてを知り尽くしたいあなたに
- 作者: Joe Celko
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2015/01/19
- メディア: Kindle版
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LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書1242)
- 作者: 森山至貴
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/03/06
- メディア: 新書
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- 作者: 鏡リュウジ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/04/19
- メディア: 新書
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- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2004/06/25
- メディア: 文庫
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- 作者: グレン・グールド,ジョナサン・コット,宮澤淳一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/10/08
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- 作者: 古屋晋一
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2012/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 佐藤岳詩
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2017/08/31
- メディア: 単行本
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- 作者: 筒井淳也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 新書
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- 作者: 永井荷風
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1987/03/16
- メディア: 文庫
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永井荷風の小説読んでるだけど、そろそろセフレのオジサンを切ってちゃんと彼氏作ろうかなーと思ってる女の子が他の男と寝ているのをオジサンに発見されて、若干ガチ恋入りかけてたオジサンがブチ切れて刺客を放ち、女の子の家に猫の死体を投げ入れたりする、というマジでどうでもいい話でうける
— 藤村 (@ffu_) November 22, 2017
だが、冷たい自然主義の目線でそれを描くと芸術になるという。
- 作者: 中北浩爾
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/04/19
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チーム力で他を圧倒していることがわかった。
社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学
- 作者: ジョナサン・ハイト,高橋洋
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2014/04/24
- メディア: 単行本
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道徳心理学。人間の道徳的な判断は「ケア、公正、忠誠、権威、神聖、自由」の6つの受容器のバランスで決まる、という話に説得力がありすぎて。他人の道徳感情が理解できない人におすすめ。
反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか
- 作者: ジョセフ・ヒース,アンドルー・ポター,栗原百代
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2014/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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カウンターカルチャーがいかにカウンターでなくなったか、経済的・社会的インパクトがなかったか、という話。下記の記事を読んで興味が持てた人にはお勧め。怒る人もいると思うけど、概ね説得力のある議論だと思う。 ジョセフ・ヒース『パンクは死んでいない』(2016年3月21日)
アフリカン・ロッカーズ―ワールド・ビート・ドキュメント (ON MUSIC)
- 作者: エレンリー,Helene Lee,鈴木ひろゆき
- 出版社/メーカー: JICC出版局
- 発売日: 1992/06
- メディア: 単行本
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アフリカ、特に独立後のギニアの音楽について。
最近ギニアの70年代の音楽をちょいちょい聴いてる。いわゆるアフロ・キューバン的な雰囲気と現地っぽい謎の音程感がいい雰囲気で混ざってて聴き心地がよい。で、この本を読んだら、アフロ・キューバン的な要素は当時ギニアでキューバから輸入された音楽が流行っていたかららしい。想像と逆だった pic.twitter.com/oFBhWxJRO5
— 藤村 (@ffu_) August 12, 2017
ちなみに当時のギニアはアフリカでいち早く植民地支配を脱したが共産主義独裁政権になったという状況。文化な独立も目指しはじめて、海外の音源の流通が止まった。で、国営レーベルができてお抱えバンドがレコードを出すことに。しかしそれが、国営でこれはマズくね?って色気のある代物なんですよね…
— 藤村 (@ffu_) August 12, 2017
こちらです。Bembeya Jazz National。国民的人気だったらしい。 - Super Tentemba - Bembeya Jazz National 1972 https://t.co/4mzIAhgyEK via @YouTube
— 藤村 (@ffu_) August 12, 2017
- 作者: 西田亮介
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2015/10/24
- メディア: Kindle版
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- 作者: 伊藤公一朗
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/04/21
- メディア: Kindle版
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データ分析をマスターする12のレッスン (有斐閣アルマBasic)
- 作者: 畑農鋭矢,水落正明
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2017/10/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『データ分析の力』を読んでもう一歩踏み込むにはピッタリ。具体的なやり方が書いてある。
- 作者: 植原亮
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2017/07/25
- メディア: 単行本
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かつて哲学は他の学問の基礎だった。それが20世紀に否定され、哲学は他の学問と地続きになったよね、だから、例えば「道徳ってなに?」って問いにも心理学はじめ科学を使って答えちゃうよ、というのが(超雑に説明するところの)自然主義。こうなると出て来るのが「科学、つまり因果関係が全てを支配するところで善悪をどう語るの?」って問い。これに自然主義は回答を出していくんですよね。という説明が面白いと思った人は是非読んでみてください。読みやすいので科学読み物を読める人ならイケるはず。『メタ倫理学入門』についで今年の二位。
- 作者: ナサニエル・ポッパー,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビットコイン物語。ドラマがある。いまのうちに読んでおいたら弾ける泡も綺麗に映るかもよ?
- 作者: 杉原淳一,染原睦美
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: Kindle版
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アパレルは大変そうである。百貨店の功罪(功はあるのか?という問いはさておき)は大きい。人間に絶対必要なものだから、がんばってほしい(小並感)。
- 作者: 斉須政雄
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: Kindle版
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プロフェッショナルすぎる。20代に読んだら人生の指針になったかも。
昨年の(を今年書いたもの)はこちら 2016年に読んだ本の一部 - fujimuradaisuke's blog
使っているギターとエフェクター、アンプ
ギター
ギターは2本を使いまわしている。だいたい同じスペックでSteve Morseがしっかり系、Silhouetteがさっぱり系という使い分け。移動が長い時は軽量なSilhouetteを持っていきがち。Music Manはかっこいい工業製品みたいなデザインが好き。ネックの握りもすっかり馴染んでしまって離れられない。次もMusic Manを買うと思う。
Music Man Steve Morse
フロイドローズのついたSilhouetteを探していたところ、ヤフオクでいい感じの個体が出ていたので買った。HSSH、2way selector, 3way selector, 3way selectorという凄まじい仕様で、スティーブ・モーズさんごめん…と思いつつ速攻でHH, 3way selectorに改造した。メイプルネック、ローズウッド指板、ボディはポプラ、ブリッジはフロイドローズ。ボディのコンターが一切ないという力強い仕様。それもあってか、材のせいか、ポプラなのにかなり重い。その分暗めのしっかりした音が出る。リアにはDimarzio Tone Zoneを載せている。ネックは割と普通の形。
デフォルトのモデルはなんともいえないシースルーブルー。僕のは黒。スティーブ・モーズはぶっちゃけ聴いたことが無い。このモデルを使っている人は一度も肉眼で見たことがない。
Music Man Silhouette
Steve Morse買って数年後にフロイドローズが面倒だと思うようになり、ふと買った。またTone Zone載せるのもなー、と思い、Tone ZoneのさっぱりバージョンであるAir Zoneを載せた。物足りないくらいくっきり、さっぱりした音。メイプルネックにメイプル指板、(たぶん)アルダーボディ、ノントレモロの裏通し。ボディサイズはSteve Morseとほぼ同じなんだけどコンターがあるため、右手はかなり楽。ネックは細め。全体的に体に自然にフィットする感じのギターで弾きやすい。ギターとしての色気がないって意見があるけど、僕はギターにそういったロマンがさほどないので、こういう工業製品っぽいギターは大好き。
Keith Richardsが使ってたので有名になったモデルらしい。僕のは黒で、Steve Morseと見た目がほぼ同じ。本当は白が欲しかった。
エフェクター、アンプのセッティング遍歴
- Ibanez TS9DX
- Marshall JCM 900
あるときCeltic Frostの機材を調べたらチューブスクリーマーを使っているという情報があったので、買ってみた。TS9DXはローが減らないのでちょっとファットな音になってよい。
- Maxon VOP9
- Marshall JCM 900
TS9DXのセッティングがシビアすぎて心が折れてきたので、ローが減らないTS系ペダルを探した結果Maxon VOP-9を買った。ほどよく中高域に一本芯が通る感じが良い。
- Maxon VOP9
- Maxon DS830
- Roland JC120
ここでRoland Jazz Chorusを使うことにした。ライブハウスにはJCM900とJC120がある。僕のバンドはツインギターなので担当を交代した。JC120で色々試した結果Maxon DS830を使うことにした。このペダルも非常にセッティングがシビアで、めちゃくちゃ使いにくい。トレブルもローも9時前後にしていた。たぶんハムバッカーのギターとの相性が悪いんだと思う。しかし、これをTS系のペダルで締めてドライブさせると実にジューシーで陰湿な感じのなメタルギターの音が作れる。ノーマルでもダウンチューン感が出る。この頃もうひとりのギターもMaxonを使っていたので、こいつらどんだけMaxon好きなんだって感じだった。
- BOSS OD-3
- Maxon DS830
- Roland JC120
VOP9に飽きたのでふとBOSS OD-3を買った。VOP9は同じくクリーンとドライブが混ざって出力されるタイプで、OD-3も同じような感じがある。OD-3の方が圧倒的に色がつかない。素直な音になった。
- ZOOM MS-50G
- Roland JC120
家の練習用にMS-50Gを買った。これが調子良かったのでライブでも使うことにした。アナログのペダルを繋いでいたころより音量・音圧ともに大幅に改善した気がする。ジャズコーラス対策としては素晴らしい。いまはBG DriveというMesa-Boogie Rectifierをモデリングしたやつを使っている。エフェクトリターンに繋いでいたけど、クリーンチャンネルにつなぐようになった。ライブハウスのアンプ、たまにエフェクトリターンが壊れているので。もはやCeltic Frostサウンドへのこだわりがなくなってきた。
ペダル一個持っていけばライブできるのは凄い便利。チューナーも入ってるし。アンプの個体差に悩まされることもない。当分はこのセッティングで行くと思う。
git-gsub v0.0.6をリリースした
リポジトリ内のファイルを一括置換するGitのサブコマンドgit-gsub
の新しいバージョンをリリースしました。
なかなか便利になったと思うのでお試しください。
新機能
ファイル名の変更も一緒にできるようになった
クラス名を変えたい時はgit gsub Foo Bar
とファイル内の文字列を置換した後、ファイル名をgit mv
なりで別途変更する必要がありました。これは非常に面倒。なので、--rename
オプションを渡すとファイル名も変更するようにしました。
内部的には
for f in $(git ls-files | grep Git::Gsub) do mkdir -p $(dirname $(echo $f | sed 's/Git::Gsub/Svn::Tr/g')) git mv $f $(echo $f | sed 's/Git::Gsub/Svn::Tr/g') 2>/dev/null done
というようなスクリプトを実行しています。
実験的な機能としてSnake/Camel/Kebab caseに変換した文字列も置換するようにした
例えばRailsプロジェクトだと OrderDetail
ってモデルがあると、 order_detail
という変数があり、 order-detail
というDOMのクラス名があったりします。これをそれぞれ置換するのは面倒なので、--snake
、--camel
、--kebab
というオプションでそれらも一括で置換するようしました。
--rename
オプションで行う置換にも適用されます。これによってRailsプロジェクトのモデル名変更がコマンド一発でほぼ完了するようになりました。
ただこれ、ActiveSupport::Inflectorを使っていて、これが下記のようなRubyっぽい変換をします。これは他の言語では迷惑なはず。 「実験的」としているのはこのためです。なんとかしたい。
'ActiveModel::Errors'.underscore # => "active_model/errors"
変更点
sedで行っていたファイル内の文字列置換をPerlに書き換えました。これでgsedが入っていないと使えないって不具合もなくなったはず。もともとsedの文字列置換機能はPerl由来である、など教えてくれた @knu に感謝です。
その他所感
2016年に読んだ本の一部
確か年明けに書いたと思われる下書きが出土したので投稿してみます。一年分まとめて書くのは無理ですね…。
会社で「論理的な文章とは」というような話をしていて、若者に一冊読むならこれかなと思い、再読した。よく外銀・コンサル出身の人が言う「ファクトベース」は実証的な学問のやり方がベースになっているので、ファクトベース思考を身に着けたいなら、実証的な学問のやり方を理解するのが正確な近道だと思っている。その作法を知るにはよいテキストだと思います。
ついでにこれも今再読している。『論文の教室』と被る部分があって、そちらは作法がメイン(作法も重要です!)、こちらは主張の仕方がメイン。クリティカル・シンキングの本として、哲学の入門書として、とても良い本です。久々に読んで、自分の思考法のベースは哲学なんだなあと再認識した。もう卒業して10年経ってるんだけどな。実証的な主張がしにくい価値に関する主張の説得力をどうやって増すか、あたりで、哲学が「役に立つ」のを見て取れるはず。
名作に潜む数学的な美しさを説明する本。美が何で構成されているかを知ると、理解の解像度も上がります。
久々にRDBを使うので読んだ。有名な本なのであまり解説はいらないと思うけど、同じ轍を踏まぬよう読んでおく価値がある本でした。
久々にRDBを使うので読んだ。発行されたSQLの裏側で何が起こっているか、なんとなくでも理解しておくと思わぬところで役に立つ。たしか役に立った瞬間があったんだけど忘れてしまった…。あまり楽しくない読書になるかなと思ったけど、RDBMSの仕組みを理解するのは知的刺激があった。よい一冊でした。
めちゃくちゃ面白かった。地方銀行とは何か、いま進んでいる金融庁の金融改革とは何か、それで地方銀行はどうなるのか、が、金融改革をやってる人たちの群像劇で補強されつつ語られる。娯楽として読める本。Amazonのレビューも面白いので(読了後に)見てみてください。
とある勉強会で発表するために再読した。冷戦期を代表する大統領、リチャード・ニクソンが同時代の国家元首たちを語る。当然ながら国家元首の振る舞いはリーダーシップ論として有用。あと、僕らの世代が注目すべきは、イデオロギーで世界が2つに分かれて、お互いに大量の核弾道を積んだミサイルを向けあっていた時代、今は誰も上手くいくとは思っていなかった共産主義が一つの選択肢だった時代の空気。すこし追体験できる。本人が書いたのかはわからないけど、文章も読ませる。
今年ベスト。中国共産党の凄まじい権力闘争を忍耐、実務能力、知性、人間性で生き抜いた周恩来。彼がいなかったら中華人民共和国も毛沢東も文化大革命もここまでうまく(うまく…?)いかなかったはず。確実に自分にとって必要なパーツだった周恩来を毛沢東は死ぬまで警戒し続け、信じられないことまでして(詳しくは是非読んでみてください)失脚させようとするが、周恩来は粘り強く回避する。この本を読めば、辛いことがあっても周恩来だったらどうするかなと考えることができるようになる。我慢の一択なんだけど。
ソビエト連邦にはマルクス・レーニン主義という「正解」があった。正解がある社会は恐ろしい。権力闘争の結果、正解を正解たらしめていたロジックから個人に権威が移譲され、濫用される。『周恩来秘録』でも見てとれる現象だった。これは組織の失敗といえるのではないか。20世紀の大失敗組織のひとつ、旧日本軍については『失敗の本質』で教訓がまとめられてるけど、ソビエト共産党、中国共産党のそれは見当たらない。誰か書いてくれないかな。もう一つ、「不正解」とみなされた人間は排除される。『周恩来秘録』と違って、この本では排除というか虐殺にフォーカスがあたっている。イデオロギーが合わない人間がすべて殺される。そんなことあるのか?と思う人は是非読んでみてほしい。
フィリップ・グラスの自伝。自分の人生で音楽が趣味というレベル以上に重要で、ニューヨークが好きな人は絶対読んで欲しい。2016年もっとも感動した一冊だったような。
シェフの小説。不良。
CTOなので久々に読んだ。読む価値ある。「賢くて、物事を成し遂げる人を雇え」ってメッセージは普遍的。
プラグマティズムあまり詳しくないのとブランダムなど新しい(僕が哲学科を卒業したのは10年以上前なので結構取り残されている)哲学者の話も読めるということで読んだ。アメリカの哲学はどうしても論理実証主義から分析哲学って流れの説明が多くなっちゃうので、そこら辺の補強に便利だった。普通に読書としても面白い。
泣ける。統合失調症に関心がある人は是非。
ハーバード大学哲学科が教える、哲学を学ぶ理由
ハーバード大学哲学科のサイトにあった「なぜ哲学を学ぶのか」があまりに良かったので、精度が上がったという評判のGoogle翻訳を試すついでに訳してみました*1。
僕も大学で哲学を勉強していました。もはや半可通でしかないのですが*2、後半にある「哲学があなたに教えるスキル」は僕が仕事をする上で全ての基礎になっています。哲学を勉強してよかった。
原文はこちら。訂正などありましたら是非コメントください。
Why Study Philosophy? | Harvard University Department of Philosophy
カリフォルニア大学バークレー校の哲学者であるジョン・キャンベルは、哲学についてこう考えていますー「それは、私たちがふだん凄いスピードで行っていることを分解し、説明し、評価する。すると、別の選択肢が可能であることがあきらかになる」。
哲学を学ぶことは、何千年もの間人類を悩ませてきた問いに、過去存在した偉大な思想家たちとの対話を通じて取り組むことです。1つ2つの授業を取る、集中して哲学を学ぶ、どちらの場合も、生徒たちは哲学を学ぶことが大学生活で最も有益な知的体験であることを知ります。哲学を研究する主な理由は、反省と熟考の本質的な価値を知ることです。
それにもかかわらず、哲学に惹かれている多くの学部生は、哲学の学位は貧困への道だと心配しています。しかし実際のところ、哲学を学ぶことで得られるスキルは、不安定かつ急速に変化する経済環境の中で、高い市場価値があります。多くの特化したスキルは最終的に時代遅れになり、いずれの場合でもほとんどの人は人生の中で何度もキャリアを変えてしまいます。哲学があなたに教えるスキルは、常に需要が高いはずです。明快に思考し、書くこと。認識されていない前提を明らかにすること。複雑なアイデアを明快に説明すること。つながりと含意を解きほぐすこと。幅広い文脈で物事をとらえること。慣習に挑戦すること。一言で言えば、哲学はどんな業種でも適用できるスキルを提供します。
ハーバード大学の哲学専攻生は、多様で価値あるキャリアを追求してきました。哲学の卒業生は、法律、財務およびコンサルティング、ビジネス、インターネットのスタートアップ、医学、ジャーナリズム、芸術、非営利の仕事、教育、学術(哲学と他の学問分野の両方)で成功を収めています。あなた自身に問うべき質問は「私は哲学の学位で何ができますか?」ではなく、「私が哲学の学位でできないことは何でしょうか?」でしょう。
起業してました&エンジニア募集しています
近況報告としては、退職のご報告からすっかり間が空きました。TechCrunchや東京新聞の記事で既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2015年10月にProper, Inc.を共同創業し、現在「近所のつながりを通して、地域の課題を解決する」というミッションのもと、ご近所SNSマチマチを運営しています。
前職をやめてからは結構悩みましたが、こういう時は一番ハードルが高くてテンションが上がるやつを選ぶべきだ!ということで「自分でやる」って選択肢を選びました。パートナーは、直近だとOh My Glassesをやっていた六人部生馬です。複数のスタートアップを経験している、Rubyistと仕事をしている、神奈川出身であるなど共感できるところが多々ありつつキャラ的にも能力的にも補完的という、良いチームになりました。
今、マチマチの開発チームは、現在エンジニア1人(僕)デザイナー1人(元山さん)の2人です。まだまだやるべきことが満足のいくスピードでやれていない状況です。また、現状Web版だけのマチマチですが、多くの方からアプリ化の要望を頂いています。ということで、一緒に働く仲間を募集することにしました。具体的にはWebエンジニア、iOSエンジニア、Androidエンジニアに加えて、ビジネス側のメンバーを募集しています。下にWantedlyのリンクを貼っているので、詳細はそちらをご覧ください。
話は変わりますが、新しい事業を始めるにあたって最も重要な事は「適切な事業領域を選ぶこと」だと思います。
日本は、高齢化、過疎化、少子化、厳しい子育て環境、衰退しつつある地域コミュニティと、大きな課題をいくつも抱えた課題先進国です。また、ベーシック・インカム、地域通貨などの新しい再分配のあり方の登場、シェアリング・エコノミーの浸透による家事、買い物など生活スタイルの進化、ライドシェア、自動運転車などで変わる都市における移動と距離感、スマートシティと呼ばれる電力、エネルギーの技術革新など、いま社会には多くの変化が訪れています。
そして、これらの課題・変化、すべて具体的には「地域」で起こっていることです。
ここ、僕らの持っている人生の貴重な時間を使う先として、課題としてのサイズと意義は十分ではないでしょうか。テクノロジーで改善できる事は沢山あります。時間とエネルギーと熱意をつぎ込むに値する、魅力あるフィールドだと思います。僕達はこの領域に対し「つながり」という軸で手を打ちはじめました。
ちょっと熱くなってしまいましたが、そんな感じで面白い事をやっています。良い経営チームとめちゃくちゃ面白い問題は用意できたと思うので、いいチームといいエンジニアリングで、どんどん問題を解いて行きましょう。ぜひみなさんの力を貸してください。
少しでも面白いと思ったら、下記のWantedly、 daisuke.fujimura@proper-inc.com 、各種ソーシャルアカウントでお気軽にご連絡頂ければと思います。みなさんお忙しいと思うのでランチでも行きましょう。転職考えてない人も歓迎です。なお、マチマチの技術的な側面については末尾に付録としてまとめておきましたのでご笑覧ください。
あと、Forkwellさんのミートアップでパネルディスカッションに参加させて頂きます。是非お越しください!
直前ですが、Haskell Dayでチュートリアルのチューターをやる予定です。こちらも是非!Simon Payton Jonesさんが来ます!
付録: マチマチを支える技術 ダイジェスト版
現状、主要なコンポーネントは
- Rails 5.0.0.1
- PostgreSQL 9.5
- React.js 15.3.1
- Heroku
という構成でやっています。サービスの初期ということで、仕様の変化が多く、かつ長期的なコードベースへの影響が大きいので、なるべく素直な構成とコードを心がけています。変更しやすいよう、テストは割と手厚く書いています。
その他、やってることや特徴をピックアップすると、下記のような感じです。
- GitHub上の全ブランチをデプロイして動作確認できるようにしている
- 開発用のミドルウェア(DBとか)はdocker-composeで管理
- End to endテストは書く。それと重複してもなるべくモデルのテストは書く
- Reactのコンポーネントもある程度はテストを書く
- End to endテストでカバー出来ているけど、書いたほうが再利用性が上がる
- ES6, Babel, Browserify, mocha, jsdom, Enzyme, sinon, power-assert
- 定期実行は全てJenkinsから。cronは使わない
- 依存ライブラリ(Gem, npm)はJenkinsからPR出して自動でアップデート
- コードフォーマットはeslint, Rubocopを使ってJenkinsでPR出して自動で修正
- データ分析はBigQueryとre:dash。データベースとMixpanelからEmbulkを使ってインポートしている
- Railsのカバレッジは95%以上、JavaScript単体は25%程度
機能開発以外の今後の課題は
- Herokuへのリクエストの太平洋超えレイテンシをなんとかしたいけど、開発効率が良いのでやめたくない
- 地図データがきれいに揃っていないので整えたい
- やがてやってくる通知の再実装問題
- jbuilder遅い
など。興味ある事や知りたい事があったら可能な限りいくらでも情報開示します。気軽に聞いてください。
クリスマスイブに聞く本格ブラックメタル
METALバンド Advent Calendar 2015の24日目の記事です。担当がクリスマスイブになったのは偶然です。
詳しい説明はしませんが、それぞれその時代と国を代表する正統派ブラックメタルバンドです。恐らく本気でブラックメタルを聞いていた人は誰も文句を言わない、ブラックメタルという音楽の本質を味わえるチョイスだと思います*1。
しかし、ここまで人間のダークサイドにフォーカスした音楽が他にあるでしょうか!?改めて聴いて震えました。カーテンを閉じ、部屋の照明を全て消し、大音量で聞いてください!
1995, France
1989, Hungary
1993, United States
1994, Sweden
1994, Norway
1986, Sweden
1991, Swiss
2001, France
*1:入れたかったけど量的に割愛したバンドが沢山います。BurzumとかKatharsisとかSarcofagoとか。