2017年に読んだ本

今年は哲学の入門書が豊作でした。後半は計量経済学に足の指先だけ突っ込んで面白さがわかってきました。小説はあまり読めず。

天才たちの日課  クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

面白かった。変な人が多い。仕事の仕方で悩んでる人にはヒントになると思う。

賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門

賢い組織は「みんな」で決める:リーダーのための行動科学入門

今年ノーベル経済学賞を取ったリチャード・セイラーと『実践 行動経済学』を書いた人、かつ、昨今社会科学の分野で無双ぶりを発揮しているキャス・サンスティーンの組織についての本。組織にかかるバイアスがわかって役に立つ。リーダーやマネージャーなど組織に関わる人にお勧め。

共産主義黒書〈アジア篇〉 (ちくま学芸文庫)

共産主義黒書〈アジア篇〉 (ちくま学芸文庫)

怖すぎる。中国共産党のやり方は闇の組織論として読める。

どうせSQLはずっと書くんだから時間かけて学ぶ必要あり、と思って読んだ。SQLで使える手が網羅的に学べる。自信がついた。

めちゃくちゃよく整理されているけど熱量のある本。この辺に自信がない人に渡したい本。実は高校の同級生。

タロットの秘密 (講談社現代新書)

タロットの秘密 (講談社現代新書)

最初はただのカードゲームだったらしい。面白かった。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

名作だった。時代背景への関心が無くても面白いし感動する小説。クンデラを思い出すけど、文系の女たらしが出てこない。

グレン・グールドは語る (ちくま学芸文庫)

グレン・グールドは語る (ちくま学芸文庫)

洞察というか霊感が深すぎて一読では圧倒されるのみ。

ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム

ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム

仕組みがわかって良い。

メタ倫理学入門: 道徳のそもそもを考える

メタ倫理学入門: 道徳のそもそもを考える

倫理学は哲学のいちジャンルで「善さ」についての学問。大きく2つに分けれていて、規範倫理学が「何が正しいのか」、メタ倫理学が「正しいとは何か」を問う。後者についての包括的な入門書。メタ倫理学自体の面白さもさることながら、本としての完成度が高すぎ。グイグイ読める。今年のベスト。

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

今年一番人に勧めた本。今後生きていくにあたって確認しておく価値がある。

つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4)

つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4)

だが、冷たい自然主義の目線でそれを描くと芸術になるという。

自民党―「一強」の実像 (中公新書)

自民党―「一強」の実像 (中公新書)

チーム力で他を圧倒していることがわかった。

道徳心理学。人間の道徳的な判断は「ケア、公正、忠誠、権威、神聖、自由」の6つの受容器のバランスで決まる、という話に説得力がありすぎて。他人の道徳感情が理解できない人におすすめ。

反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか

反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか

カウンターカルチャーがいかにカウンターでなくなったか、経済的・社会的インパクトがなかったか、という話。下記の記事を読んで興味が持てた人にはお勧め。怒る人もいると思うけど、概ね説得力のある議論だと思う。 ジョセフ・ヒース『パンクは死んでいない』(2016年3月21日)

アフリカン・ロッカーズ―ワールド・ビート・ドキュメント (ON MUSIC)

アフリカン・ロッカーズ―ワールド・ビート・ドキュメント (ON MUSIC)

アフリカ、特に独立後のギニアの音楽について。

メディアと自民党 (角川新書)

メディアと自民党 (角川新書)

面白かった気がする。確実に手を打ってるんだなーと感心した。

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

仕事をしていると、よくファクトだ、数字だって議論になるけど、それを判断するための道具のひとつが因果関係分析。もともとは計量経済学の道具。それが実例をふまえてわかり易く説明されている。仕事で数字を扱う人(スタートアップ業界だとほとんど全員だと思いますが…)には超お勧め。

データ分析をマスターする12のレッスン (有斐閣アルマBasic)

データ分析をマスターする12のレッスン (有斐閣アルマBasic)

『データ分析の力』を読んでもう一歩踏み込むにはピッタリ。具体的なやり方が書いてある。

かつて哲学は他の学問の基礎だった。それが20世紀に否定され、哲学は他の学問と地続きになったよね、だから、例えば「道徳ってなに?」って問いにも心理学はじめ科学を使って答えちゃうよ、というのが(超雑に説明するところの)自然主義。こうなると出て来るのが「科学、つまり因果関係が全てを支配するところで善悪をどう語るの?」って問い。これに自然主義は回答を出していくんですよね。という説明が面白いと思った人は是非読んでみてください。読みやすいので科学読み物を読める人ならイケるはず。『メタ倫理学入門』についで今年の二位。

デジタル・ゴールド──ビットコイン、その知られざる物語

デジタル・ゴールド──ビットコイン、その知られざる物語

ビットコイン物語。ドラマがある。いまのうちに読んでおいたら弾ける泡も綺麗に映るかもよ?

誰がアパレルを殺すのか

誰がアパレルを殺すのか

アパレルは大変そうである。百貨店の功罪(功はあるのか?という問いはさておき)は大きい。人間に絶対必要なものだから、がんばってほしい(小並感)。

プロフェッショナルすぎる。20代に読んだら人生の指針になったかも。

昨年の(を今年書いたもの)はこちら 2016年に読んだ本の一部 - fujimuradaisuke's blog