最近読んだ本 2014/06

柚木麻子『終点のあの子』

青春時代にあるちょっとしたボタンの掛け違えで人生のものすごく大切な何かを失う出来事が描かれる。 で、今自分には30台独身男子の目の前にある限りの人生しか見えなくなっているのに気がつく。あのころ視界に広がる空間は、見えているものが何なのか、よくわかってはいないけど、とにかくあっけらかんと広かったような。 回収が、ベタだけど美しい。


マイケル・オンダーチェ『名もなき人たちのテーブル』

数週間の船旅の中でいくつもの人生が交わる様子が描かれる。思春期を迎える子供ってこういう風に全てが鮮やかに見えるんだよな。静かな文体のわりに一気に読ませるので策士。


エンリコ・モレッティ『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』

クリエイティブ資本論の焼き直し。


岩本繁『経営分析の知識』

財務諸表をもとに経営を分析するためのツールと実例が展開される。地味だけどタイトで好感の持てる本。サラッとでも財務諸表が読めると、転職時に会社を調べるのにすごい便利。あと、経営に近い所で仕事をしていた人は実感をもって面白く読めると思う。ただ一切会計の知識がない状態だと辛いかも。